|
「第11回 潜水医学講座・小田原セミナー」の内容を、 数回に分けてプログラムごとに紹介します。 内容は基本的に記憶とメモによるものです。
東京島嶼の離島医療と救急搬送 越村 勲 ■前小笠原村診療所所長 ■島津メディカルクリニック川崎診療所所長 ■順天堂大学医学部脳神経内科助教
内容は、伊豆諸島や小笠原諸島での医療体制や救急搬送、 チャンバーの使用状況などについてのお話です。
■広く浅くの整った医療体制
小笠原諸島の診療所では全科診療を行っていて、レントゲンやCT設 備も。 また、薬も緊急に備えて全科に対応するだけの薬が常備されており、 さらに、内地の病院と連携を取るために画像伝送装置まである。
ただ、大島と八丈以外には入所施設がなく、全体的に入院や専門分野、 大きい手術はよほどのことはない限りやらない。 というのも、「設備がないから死んでしまった」では済まされないので、 リスクを避けるためとのこと。
■充実の救急搬送も、いかんともしがたい地理的不利
救急搬送は小笠原の場合、年に240件。 海自、東京消防庁、病院との連携は整っている印象。 ただ、小笠原から9時間半、大島からは2時間の搬送時間、 さらに行政上の諸手続きのためにそれ以上の時間を要する場合もある。
■診療で一番多いのは擦り傷、切り傷
一般の診療では整形が一番多い。
ダイバーでも、救急搬送適応の減圧症は5年で5件。 圧倒的に多いのは、擦過傷、切り傷が多い。 また日焼けや熱中症など南の島ならではの受診も多い。
■気になるチャンバーと酸素
減圧症対策に有効なチャンバーと酸素。
まず、チャンバーに関しては、 小笠原にはなく、神津島や八丈島にはあるものの 使用実績はほとんどなし(今後も使用は現実的ではない)。
酸素は完備してあって、空になると船で送ってチャージする。 ただ、酸素の絶対量が決まっていて、チャージ(搬送)に時間もかかる。 緊急でない減圧症に対して、大量の酸素を使用することの問題。
■ダイバー目線の感想
思った以上に伊豆諸島の医療は充実しているのだと実感。 さすが、東京都がバックにいるだけのことはある。 さて、沖縄はどうなのだろう?
ただ、どうしても搬送に時間がかかるので、大きな事故はもちろん、 重度の減圧症にならないような潜り方に一層注意すべき。
また、内地で暮らす人が海にいったときに簡単に考えてしがちなのが、 「手足の保護」と「肌の保護」。
まず、自然と直接触れることの多い手足には グローブやマリンブーツの装備がオススメ。 実際、裸足で砂浜を走り回っていて足に大けがで 旅がパーなんてことはよくあることらしい。
また、日本といってもグアムの方が近い島の日差しは想像の10倍と考えて、 日焼け対策、水分補給などを大げさなくらいに行いたい。
最後に。
先生のダイバー(主にイントラ)へのアドバイス。 「旅に出かけるときは、 現地の医療事情を把握しておくことがとても大事です」
■小田原セミナー②10年間の事故分析 http://diving-commu.jp/divingspirit/item_3541.html
|